11月22日、翌日午前の札幌講演会に備えて、前日移動する。講演会開始が11時だから、当日移動ではどうしても間に合わない。 「開始ギリギリに着きゃいいじゃん」と言うなら、羽田7時の飛行機でも間に合うわけだが、今井君ポリシーは「2時間前到着で確実に」であって、250人もの人が出席を申し込んでいる講演会に「飛行機が遅れて遅刻しました」などというのは論外である。 札幌は一昨日大雪があったばかりで、歩道にはまだ雪が残っている。NHK天気予報では講演会の23日も雪だるまマーク。しかも生半可な雪だるまじゃなくて、雪だるまに向かって斜め上から吹雪が吹きつける暴風雪マークである。(11月23日、札幌で講演会 1) 諸君、チラホラ舞う雪を雪だるまクンが視線でノンビリ追いかける「小雪マーク」とは、決定的に異質の凶悪な吹雪が予想されていたのだ。しかもNHKの気象予報士は「風に向かって歩けないぐらい」「歩いていると転んでしまうぐらい」と恐ろしいことを言い、「日本海側では落雷や突風、雹にもご注意ください」と追い討ちをかけた。 そうなればクマもせっかくの冬眠から醒め、激しい戦闘モードに切り替わる。今井グマが代々木上原を出たのは朝11時。おお、講演開始24時間前に出発だなんて、何と熱心グマなんだ。歩道に残る雪ばかりか、雪だるまクンに降りしきる猛吹雪も、この熱さで融かしてしまおうという勢いである。(北海道限定の清涼飲料、ひぐまガラナ。ボトル缶もある) 札幌着16時。さすがに北海道の冬の夜は早くて、17時ですっかり夜の雰囲気である。ちょっと食事に行って、ついでだからホテルのバーにも寄って、ますます調子づいてくる。 食事はもちろんジンギスカン、ゴマ塩オニギリ2コ付。クマどんはヒツジの肉が大好きで、札幌に来るたびに、牧場の優しいヒツジさんを貪欲に食べ尽くす。三角オニギリの頂点が全て三角定規みたいにとんがり、「明らかに型ヌキ」だって、何も構うことはない。 あんまりジンギスカンくさくなって、大事な講演に影響が及んではイケナイから、今日のところはあくまで控えめ。そのぶん、宿泊先「JRタワーホテル日航」のバーで挽回をはかり、「2時間飲み放題」を満喫することにした。 クマ蔵が「2時間飲み放題」などということをすれば、ホテルの人が慌てるほどのスピードで飲み尽くしが始まり、約10分で1杯のペース。120分で12杯だが、最終盤は猛然とラストスパートがかかって、合計がどうなったか記憶にない。それでも2000円チョイでオードブルもつくから、ホテル側からみれば明らかに損失だが、クマ蔵はまだもの足りないぐらいである。(ガラナ飲料の別バージョン、白熊ガラナ) 「JRタワーホテル日航」については、新しくて、綺麗で、サービスも丁寧。部屋からの夜景も美しい。ただし、客室がちょっと寒いかもしれない。北海道には珍しく窓ガラスが2重になっていないのだ。 客室自体は空調だけで何とかなるが、寒いのは浴室である。窓ガラス1枚で外から真冬の強風にさらされ、床暖房もないから足が冷たい。シャワーがゴムホースなのもオシャレじゃない。旅のベテラン今井君の判断は「これで1泊○万円とは、お値段のワリにチープ。改善の余地あり」である。(冬の朝日の中の札幌。JRタワーホテル日航25階より) 翌朝は6時半に起床。ちょうど太陽が昇った直後で、朝の札幌の街が美しい。藻岩山など郊外の山々は白く雪をかぶり、その雪が真横から朝日に照らされて薔薇色に燃えている。 「あれれ、天気予報では、今日は雪だるまクンが猛吹雪に凍えるんじゃなったっけ?」であるが、24時間前に東京を出発し、ヒツジ肉に燃え、「2時間飲み放題」に燃えた今井グマの熱さに、猛吹雪は恐れをなして退散したのだ。「この臆病者め、退治してくれるわ」である。 臆病者の冬将軍はますます縮こまって、天気予報は「午後遅くから、強い雨」などというテイタラ続きをみる
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